あなたの会社の創業融資の利息を区が負担してくれるかも⁉制度融資について税理士が解説します!
起業する際に重要なことは資金調達になります。会社を経営すると事務所の賃料や運転資金、社員を雇った場合には給与の支払いが必要となり、多くの資金が必要となります。
あなたの貯金がある多く場合には、その自己資金で会社を設立できますが(弊所も何年も貯金して開業資金を準備致しました💦)、急に会社を設立することになったり貯金があまりない場合には、金融機関から創業融資を受けることも一つの手段になります。
でも金融機関から融資を受けたら元本の返済だけでなく利子も支払う必要があり、負担が大きいですよね💦起業したいけど厳しいかな…。
お客様から会社設立のご相談を受けた際に、資金調達についてこんな悩みを持っている方が多くいらっしゃいました。
お客様の悩みを解決したいとの一心で税理士事務所スプリングがいろいろ制度を調べたところ、何と区が金利や信用保証料(金融機関から融資を受ける際に、信用保証協会に保証人になってもらった時の費用のことを言います。)の一部を負担してくれる制度融資があることが分かりました。
今回は税理士事務所スプリングが所在している東京都新宿区の制度融資について詳しく説明致しますが、他の区や他県の市でも同様の制度がある地方公共団体も多くありますので、新宿に事務所がない方も参考にして頂けたら幸いです。
今回のブログは起業をしたいが資金調達に苦労していて、あと一歩が踏み出せない方に是非読んで頂きたい内容になっています。
目次
1. 創業融資の概要
⑴資金の使途
融資を受けた場合にはその資金の使途が定められています。創業融資を受けた場合にはその資金は、創業時の運転資金(会社が事業を続けていくために必要となる資金のことを言います。例:商品や原材料の仕入れ、人件費の支払いなど)と設備資金(事業運営のために必要な機械・設備の購入等のために必要となる資金のことを言います。例:工場や店舗の建築、車両の購入)に使う必要があります。
⑵融資の対象者及び貸付限度額
条件 | 貸付限度額 |
①現在は事業主ではなく、法人又は個人で創業しようとする者 | 1,000万円 |
②分社化しようとする者(分社化を計画している親会社への融資) | 1,500万円 |
③法人又は個人で創業し5年未満の者 | 2,000万円 |
④分社化により創業し、5年未満の者(分社化した子会社への融資) | 2,000万円 |
【留意事項】
下記の条件も満たす必要があります。
・東京信用保証協会の保証対象業種の事業を営むこと。
・住民税及び事業税を滞納していない者。
・法人の場合には、本店(営業の中心)と本店登記を新宿区の同一所在地に置くこと。
・個人の場合には、事業所(営業の中心)を新宿区に置くこと。
※新宿区在住1年以上の場合は東京都内での創業も可能です。
⑶金利
金利(固定) | 金利本人負担 | 金利区負担 | |
利率 | 1.8%以下 | 0.2%以下 | 1.6%以下 |
制度融資を調べてみて新宿区の金利負担がかなり大きいことを知り驚きました。制度融資を活用することで本人が負担する金利をかなり減らすことができます。
⑷貸付期間
7年以内になります。うち据置期間(元本の返済が猶予され、利息だけを返済する期間のことを言います。)は12ヵ月以内と定められています。
⑸信用保証料の補助
新宿区が信用保証料の1/2(上限は26万円になります。)を補助してくれます。半分を新宿区の方で負担してくれるのは、とてもありがたい制度ということができます。
⑹返済方法
元金均等月賦返済(毎月決まった額の元金と期間に応じた利息を返済する方法を言います。)
2. 融資斡旋の申し込みから融資実行までの流れ
⑴融資斡旋の申し込み
新宿区の産業振興課へ融資紹介の申し込みをします。その後面談を受けます(面談は2時間です。)。必要資料に不備がある場合には、再面談になる可能性があるのでご注意ください。
【申し込みに必要な書類(法人が申し込みする場合)】
※令和6年度時点
提出書類 | 備考 |
制度融資紹介申込書 | 新宿区の制度融資のパンフレット又はHPにあります。 |
法人事業税の納税通知書 | 都税事務所で発行してもらえます。発行日より3ヵ月以内のものが必要となります。 |
代表者の住民税の納税通知書 | 住所地の区役所等で発行してもらえます。非課税の場合には非課税証明書が必要となります。発行日より3ヵ月以内のものが必要となります。 |
履歴事項全部証明書 | 法務局出張所で発行してもらえます。発行日より3ヵ月以内のものが必要となります。 |
法人税確定申告書・決算書一式(コピーが2部必要となります。) | 電子申告をしている方は【法人税のメール詳細】も一緒に提出してください。 |
試算表(貸借対照表及び損益計算書)のコピー2部 | 決算後、6ヵ月を超えた場合には、その後の試算表が必要となります。決算の翌月から申込月の前月又は前々月までの累計が分かるものをご準備ください。 |
見積書のコピー ※資金使途に設備資金を含む場合のみ有効になります。 ※有効期間内の見積書が必要となります。 |
・宛名が法人名で無いものは認められません。 ・請求書又は契約書でも問題ございません。 ・発行企業の社印があるものが必要となります。 ・有効期間の記載が無い場合には、発行日から1ヶ月間とします。 ・支払い済みのものは融資対象外となります。 |
⑵融資の申し込み
産業振興課から面談終了後に紹介状を受け取り、1ヶ月以内に借入希望金融機関に行き融資の申し込みをします。なお、紹介状の交付が必ず融資実行になるものではございませんのでご注意ください。
⑶補助申請
金融機関から融資実行の可否通知が届きましたら、産業振興課へ信用保証料の補助申請をしてください。これをすることで新宿区が東京信用保証協会の信用保証料を補助してくれるようになります。
申請期限は信用保証料の支払いから5年以内です。手続きを失念しないようにしてください。
⑷融資実行
金融機関から融資が行われます。その後債務を返済することになりますが、負債利子は新宿区が一部負担してくれるため本人負担分の利子の支払いだけで問題ございません。
3. 利子補給中止要件
新宿区が貸付期間である7年以内を限度として利子補給をしてくれますが、以下の場合には利子補給が中止されますのでご注意ください。なお、利子補給中止要件に該当した場合にはその理由が解消されても利子補給は再開されないことになっています。
・事業を休業又は廃止したとき
・本店、本店登記を新宿区外に移したとき(法人の場合)
・本店と本店登記が同一の所在地ではなくなったとき(法人の場合)
・事業所、住民登録をいずれも新宿区外に移したとき(個人の場合)
・申し込み内容に誤りがあったとき
・繰上完済をしたとき etc.
4. 弊所の取り組み
税理士事務所スプリングではお客様の起業し成功したいという夢を叶えるため、1社1社に対して税理士の立場から最大限のサポートができるように日々の業務に取り組んでいます。
今回は東京都の新宿区の制度融資について解説しましたが、実際にあなたの会社が所在する地方公共団体が制度融資を行っているかが重要になります。
顧問契約を前向きに検討してくださることが前提とはなりますが、ご依頼くださった場合には弊所であなたの会社が適用できる制度融資があるか否かを調べて報告し、制度融資の申請を無料でサポート致します。
今回のブログを読んで制度融資について興味を持った方がいましたら、下記のお問い合わせボタンからお気軽にご連絡ください。税理士事務所スプリングがあなたの会社設立を全力でサポート致します。